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2024/04/26 (Fri)
och-p-073.jpg
「あれ!?棚村?何してるのよこんなところで」
岩本穐はその大きな両目を、さらに見開いて俺を見た。心底意外そうな顔を見せたあとに、面倒臭げに短く息を吐く。「こんなところ」とは、学校から6キロほど離れた温泉街の道端だった。ここには笑乃助の家があるのだが、俺の方から遊びに行く習慣が無い事は岩本も知っている。
「よお、こいつの散歩だよ」
視線を足元に移した。俺の右手から伸びたリードの先には、丸々とした大きな犬が伏せている。主人の足が止まったのを良いことに休憩に入ったのだろう。口の端からはだらしなくよだれがたれ落ちている。ブルドッグの口の構造上仕方の無い事だが。
「あんたの家、犬飼ってたんだ。それにしても随分と遠出したわね、隣町でしょ、ここ」
学校から6キロ、家からは7キロも離れたこの場所に、犬の散歩としては無理があるし、この質問は当然来るだろうと思っていたので、事前に用意していた理由を返事に付け足した。
「こいつ最近太ってきたからな、ダイエットだよ。お前は?」
靴先で、寝そべった犬のわき腹をつま先で突付きつつ、別に聞かなくとも知っているのだが、自然な流れとして尋ねておく。
「私は…部活よ」
少し躊躇いがちに言った岩本は、天体望遠鏡の入ったケースと、三脚やらが上から飛び出したナップザックを背負っている。天体観測は岩本の前からの趣味だが、彼女はそのことを積極的に人に話そうとはしない。学校での活発なイメージとギャップがあると思っているらしく、返事に躊躇があったのもそのためだろう。なにを趣味にしていても、自分が好きなら物怖じする事は無いだろう、といつも思うのだが、それを俺の口から岩本に言った事は無い。
「こんな時間からか?」
空を見上げると、まだ正午も回っていない、朝方というにも遠い午前11時半の太陽が、まばゆく光っている。快晴ではあるが、星は見えない。当たり前だ。
「場所探しよ、こっちの方は街灯少ないし、日が落ちる前にいい所無いか見に来たの。…ってかさ」
音を立てながら背中の荷物を背負いなおすと腕を組んでにらみつける。
「こんな時間からアンタも何やってんの。しかも休みの日に、こんな早起きして」
用意していた俺の登場理由では、まだ納得がいかないらしい。
「な、凄い偶然だよなあ」
全く偶然ではありはしないのに、そんな返事をしてみる。
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2008/11/06 (Thu) OCH Trackback() Comment(5)
psu_tamakagi.jpgPSUイラコンで描いた絵の一部。
結果は箸にも棒にも引っかかりませんでした。

書かれているキャラクターは「玉鍵」という名前です。
なんか懐かしいね。
ガショウくんが管理してる方のブログの背景に使われています。
最近仕事上のミスやらなにやらで酒びたりの毎日らしいですが、大丈夫ですか。

僕のほうは「とらドラ!」にはまりました。
電撃大王でコミック版が連載されていて、原作が気になったので読み始めたところ予想以上にヒットしました。
アニメも始まったようで、今後の展開が気になります。
7巻のラストで泣きましたよ。なにこれ切ない。

アニメ版での大河の声が、今人気の釘宮理恵さんなのは、全く関係が無いと思うんですが
コスモ石油のCMで何故か癒されます。
och-p-072.jpg 向かいに座る春子が湯のみを置いて短くうなるのと、私が二枚目の煎餅に歯型をつけたのはほぼ同時だった。
 無駄に音を出して煎餅を食う、食いかすには気にしない、それが私が知る煎餅の一番おいしい食べ方だからだ。行儀の悪い事は承知の上だが、春子が閉口している理由は私のせいではない。いや、私の言った内容が原因であって、私のせいではない。
 先日、川から猫を拾い上げた時の事だ。あの時の笑乃助は、明らかに異常だった。岩本の家へ向かう途中の道から、川に向かって、全力で走り出した。気付くわけが無い、あの場所から300メートルは離れていたはずだ。人間離れした超感覚か、あるいは何かしら非科学的な能力か、もしくは逆に現代にはありえないオーバーテクノロジーか。笑乃助の最近の異常行動に相まって、先日の救出劇は決定的だった。
「笑乃助に何者かが接触している可能性がある」
 私が春子に告げに来たのは、つまりはそういう内容だった。
「他に何か見たか?」
 春子は、顎にかけていた右手の人差し指と、親指で輪をつくり、そこから覗き見るように私を見た。その仕草の意味を解釈して、煎餅を齧るのを中断する。
「私が川から這い上がった場所から、真西に500メートル程離れた上空に人影を確認したよ。その時の笑乃助から察するに、笑乃助に接触した者とみて間違いないんじゃないかな。裸眼でしか見てないけど」
「『覗いて』ないのか」
「流石に凝視できないよ、目合ったら気まずいじゃん」
 指で作った輪に視線を通す事で、私の視力は無限に広がる。私の中に住むアルゴスという獣に、目を借りるのだ。やろうと思えば地球の裏側から、月の尻を眺める事だって可能だ。可能ではあるが、実行に移す事は出来ない。ルールがあるのは、どの世界でも一緒だ。そしてルールを破った者には罰が科せられるのも同様だ。出る杭は打たれるし、鳴いた雉は撃ち殺される。個性の強すぎる生徒はクラスになじめない、やがていじめへと発展するだろう原因は、最初から隠しておくほうが懸命だ。
クラスから、世間から、世界からはじき出されないように、誇りを傷つけないように、私達は「個性」を隠し通して生きていくしかない。注意深く周りに合わせて、孤立しないように気をつけて。ボロを出さないように口をつぐんで、不自然は無いように明るく笑って。そんな人生を子供達には歩ませない為に、私達は注意していたはずなのに。
「千里、どうしたんだ?」
 春子の声にはっとして顔を上げる。天井から、笑乃助の足音がゆっくりと落ちてきた。
 私は半分になった二枚目の煎餅を、噛み砕く。醤油の味が、薄く感じた。

IMG_006833.jpg夏なんだな/ハイロウズ
のCDをまだ購入に至ってない事にきづきました。
CD買いに行くと、欲しい曲が思い出せない不思議。
買い物メモを作ろう。

こんにちは、僕は元気です。

いい加減月一更新化してるのに歯止めをかけたい。
ワンコインヒーローをまとめたいんですが、70回超えたものをまとめる労力と、過去のひどい文章を読み返す苦痛が邪魔をしていてはかどりません。

よくもまあ恥ずかしげもなくこんな文を人様に読ませていたものだな。
というかよくここまで書いていたなあ。
何がそこまでさせていたんだろう。

昔のブログを読み直していて、いろんな方からコメントを読み直しているうちに気付きました。
反応が返ってくるのが嬉しかったんですよね。
アクセス解析を見て見ると定期的に見に来てくださってる方が結構居るんですね。

ワンコインヒーローもいつの間にか更新の義務を放棄して、暫くネット上で誰も知る人の居ないところでコッソリ別ブログを立てて絵を描いたりしてました。

自分で作った物が膨らみすぎて、重荷になってたのかも。
今後はもう少し楽しんで絵が描けるようにしたい。
お話を書くにしても、何にしても。

文章が纏まらない。

真紅!
shinku.jpg







何故今かと言われると、ヤンジャンで連載されはじめたのを立ち読みしたからです。
新装版を集め始めました。ストーリーをまだ把握してないので、ネタバレは遠慮願います。

真紅が一番お気に入りですが、のりが思いのほか気に入りました。
実姉がいる僕は姉キャラを好きになることは今までなかったんですが、のりはいいお姉ちゃんだな。

OCH続き書きたい!

PSUのイラストコンテストに参加することになり、締め切りが八月の中旬なんですが、それまでには一話くらい更新したいなあ。
この調子だと終わるの何年後になるんだよ…。
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